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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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トルーヴィル線列車での強盗殺人未遂事件(4)(ベルエポック事件簿)

1908年8月6日(木)

ルメール夫人は今朝パリから来た2人の医師の診察を受けた。これは彼女の夫が頼んで呼び寄せたのだった。今日の彼女の容態はかなり良くなってきており、彼女を殺そうとした犯人についての情報を補足する話ができた。
昨日の記事では、ルメール夫人はペドロ・ギュスモーと2人だけでル・アーヴルに行ったと書いたが、一緒にトルーヴィルに宿泊した妹にはそのことを知らせる時間がなかったからである。またペドロがル・アーヴルのホテルに置いた札束を返してもらった後は、翌朝の船を待たずに夜10時発の夜行列車に乗り、朝5時頃トルーヴィルに到着するのが妹のところに一番早く戻れることだと判断したのだった。その列車の中で犯罪が起こったのだ。

ここに新たな情報がわかった。この事件にはいくつかの点で謎のままになっている。例えば、どれほど野蛮で恐ろしい戦いが彼女とペドロとの間でくり広げられたのか、である。

トルーヴィル線列車での強盗殺人未遂事件(4)(ベルエポック事件簿)_f0028703_1721452.jpg火曜日の午後、トルーヴィルのカジノでポルトガル人を見つけたルメール夫人は、早い時間のル・アーヴル行きの定期船には間に合わなかった。彼女はペドロと共に午後7時の船に乗り、ル・アーヴルに着くとすぐに盗んだ金を返すように迫った。彼は列車の中で渡すと答えた。
夜行列車は時間がかかるので、列車に乗り込むとすぐにルメール夫人は化粧室に行き(この些細な事が後で重要な意味を持つ)身体が楽に休めるようにとコルセットを緩めた。そしてギュスモーの居る車室に戻った。列車の走行中にポルトガル人は4万フランの債券と7千フランの紙幣と金貨を彼女に渡した。
ルメール夫人は気まぐれな流行に従ってペチコートをはいておらず、隠しポケットもなかった。従って4万フランの債券はコルセットの中に押し込み、紙幣と金貨はストッキングの中に入れた。それらはすべてペドロの目の前でおこなわれた。
「そんなことではお金を失くしてしまうよ。」と彼が言うと、
「心配ご無用。こんなところまで誰も探さないわよ。」と彼女は答えた。

列車がオワセル駅を過ぎると、ギュスモーは彼女に長椅子をゆずり、窓のカーテンを引き、ランプの笠を下げ、彼女がゆったりと眠れるようにした。そして彼自身も眠り込んだように見えた。
彼女はどれだけ眠ったのだろう?自分でもわからなかった。そして突然2発の銃声が鳴り響いたので飛び起きた。すると…

出典 Crédit:©BNF-Gallica #288175 « Le Figaro » le 7 Août, 1908
画像 Crédit photographique:© The British Museum, Londres, Dist. RMN / The Trustees of the British Museum / Cote cliché : 06-530621 / Description : Femme en corset (Elles magazine: Conquête de passage)/ Auteur : Henri de Toulouse-Lautrec (1864-1901) / Localisation : Royaume-Uni, Londres, British Museum

**これまでの関連記事france100.exblog:トルーヴィル線列車での強盗殺人未遂事件(3)(ベルエポック事件簿)(1908.08.05)
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by utsushihara | 2008-08-08 17:00 | ★ベルエポック事件簿1908