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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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「ムジカ」誌の先進音楽コンサート

1907年12月9日(月)

音楽専門誌「ムジカ」主催による12月の「先進音楽コンサート」は9日フェミナ劇場で第1回目の演奏会が行なわれ、大成功を博した。とりわけデュラン=テクスト女史の美しい声、ピアノの名手ブランシュ・セルヴァ女史の輝かしい演奏、アンリエット・ルニエ嬢の繊細なハープの音色は大いに賞賛された。曲目は、
ヴァンサン・ダンディ(Vincent d’Indy):「山人の主題による交響曲」(Symphonie sur des thèmes montagnards)
アルフレッド・ブリュノー(Alfred Bruneau):「少年王」序曲 (Prélude de l’Enfant Roi)
ガブリエル・ピエルネ(Gabriel Pierné):「ハープと管弦楽のためのコンセールシュトゥック」(Concertstück pour harpe et orchestre)
アルマン・マルシック(Armand Marsick):「山の情景」(Scènes de montagne)
フロラン・シュミット(Florent Schmitt):「ドイツの想い出」(Reflets d’Allemagne)
フィリップ・ゴーベール(Philippe Gaubert):「光によせて」(A la clarté)
アルフレード・カゼッラとモーリス・ラヴェルの歌曲
となっていた。オーケストラ指揮は、若きピエール・モントゥー氏が務めたが、ブリュノー氏とピエルネ氏がそれぞれ自作の演奏の指揮をとり、会場を盛りたてた。

出典Crédit:BNF-Gallica #102981 « Je sais tout » No.36; Jan. 1908
出典Crédit:©BNF-Gallica #287931 « Le Figaro » le 9 Déc. 1907

[ Ψ 蛇足 ]
「ムジカ先進音楽コンサート」(Concerts d’avant-garde de Musica)はまさにこの時代にフランス音楽界の第一線で活躍中だった作曲家たちの作品、今でなら「現代音楽」を積極的に取り上げた演奏会だった。
「ムジカ」誌の先進音楽コンサート_f0028703_15264558.jpgヴァンサン・ダンディ(Vincent d’Indy, 1851-1931)
アルフレッド・ブリュノー(Alfred Bruneau, 1857-1934):下記(2)参照
ガブリエル・ピエルネ(Gabriel Pierné, 1863-1937):パリ音楽院でマスネとフランクに学ぶ。作曲のかたわら1903年以降コロンヌ管弦楽団の指揮者を務めていた。
フロラン・シュミット(Florent Schmitt, 1870-1958) :下記(3)参照
アルフレード・カゼッラ(Alfredo Casella, 1883-1947):イタリア人だがパリ音楽院に学んだ最も若手の作曲家。後年イタリア現代音楽協会を設立。管弦楽や室内楽の作品も多い。
モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel, 1875-1937):当時32歳で、歌曲としてはすでに「シェヘラザード」、「5つのギリシア民謡」、「博物誌」などが出来ていた。このとき何が歌われたかは不詳。

上掲(↑)ピアノ奏者ブランシュ・セルヴァ(Blanche Selva, 1884-1942)は、ヴァンサン・ダンディの設立したスコラ・カントルム音楽院で若くしてピアノ教授となっていた。見るからに精力的で腕達者な名人芸の持ち主だったようで、この時はダンディの代表作「山人の主題による交響曲」(ピアノ協奏曲風の交響曲で、日本では「フランス山人の歌による交響曲」で知られ、かつて頻繁に聴く機会があった)でピアノ独奏をつとめた。
*参考サイト:Piano bleu; Blanche Selva
「ムジカ」誌の先進音楽コンサート_f0028703_1536795.jpg
右掲(→)の美人ハープ奏者アンリエット・ルニエ(Henriette Renié, 1875-1956)は、20世紀を代表するハープ音楽の演奏家・作曲家である。Webで検索しても晩年のお婆さんの写真が多いが、この時の画像はその美貌を彷彿とさせる。ピエルネの小協奏曲を演奏した。
*参考サイト:International Harp Archives – Brigham Young Univ ; Henriette Renié

**これまでの関連記事france100.exblog:
(1)新進指揮者ピエール・モントゥー(1907.09)
(2)オデオン座の音楽劇「ムーレ神父のあやまち」初演(1907.03.05)アルフレッド・ブリュノー作曲
(3)ロイ・フラー嬢の「サロメの悲劇」上演(1907.11.09)フロラン・シュミット作曲

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by utsushihara | 2007-12-09 23:45 | オペラ、音楽、演劇1907-08