フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)
by utsushihara
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ディエップの断崖で老婦人の謎の死
1909年10月26日(火)
昨日(26日)の午後、5時少し前にディエップの古城断崖(Falaise du Vieux-Château)と呼ばれる崖の上で一人の婦人が散歩しているのを釣り人たちが見かけた。すると突然3発の銃声が鳴ったと思うと婦人が崖から宙に身をひるがえし、海岸の岩の上に墜落死したのである。
捜査の結果、この婦人は71歳の未亡人のオルトルー夫人で、パリ9区のアムステルダム街に住んでいたことがわかった。この不幸な女性は高価な宝石類と100フラン以上のお金を身に着けていた。彼女は警察署長に宛てた手紙で家政婦を包括相続者に指名していると書き記していた。
[ パリでの当紙の取材 ]
71歳のカミーユ=ポーリーヌ・オルトルー夫人は年金を受けて、パリ9区のアムステルダム街x番地の小さなアパルトマンに2年来住んでいた。家賃は年580フラン(月平均48フラン≒12万円)だった。
とても愛想がよく、いつも朗らかでオルトルー夫人は家政婦のバイエ夫人と毎日を穏やかに暮らしていた。家政婦は60歳でバティニョルのジョフロワ=ディドロ歩廊に住んでいた。
夫人には甥が一人いたが、長い間会っていなかった。彼女にはほとんど付き合いする人はなく、外出もごくたまにしかしなかった。季節のいい夏の間には、田舎に住む友人の若夫婦のもとで数週間過ごすことがあった。先週の金曜日の午後2時半頃、夫人は両手に旅行鞄を下げて部屋から下りてきた。そして管理人に辻馬車を呼んでくれるように頼み、とても陽気に「数日間留守にしますので」と挨拶して出かけた。
当紙が調査を進める上で知ったことだが、オルトルー夫人は7千フランの債務を払ってもらうために出かけたのだという。また先般10月7日には彼女は遺言書を作り、それを家政婦に手渡し、包括相続者にしたことを伝えたのだった。
「これが遺言書よ。この歳になればこの先何が起きるかわかりませんからね。」
オルトルー夫人を知っている人で、我々が尋ねまわった人はすべて、彼女が実年齢よりも20歳は若く見え、しかも自殺したことにとても驚いていた。
出典Crédit:©BNF-Gallica #618789 « Le Petit journal » No.17106, le 27 Oct. 1909
画像 Crédit photographique : © RMN / Agence Bulloz / Cote cliché : 03-002587 / Titre : Vue de la plage de Dieppe, prise du château / Auteur : Eva Gonzalès (1849-1883) / Localisation : Dieppe, château-musée
[ Ψ 蛇足 ]
ディエップ(Dieppe)の海岸を描いた絵は少なくないが、RMNのサイトにディエップ博物館所蔵の珍しいエヴァ・ゴンザレス(Eva Gonzalès, 1849-1883)の風景画「ディエップの浜辺のお城からの眺め」があったので、参考掲載した。エヴァはエドゥアール・マネの弟子兼モデルとなった女流画家の一人である。
昨日(26日)の午後、5時少し前にディエップの古城断崖(Falaise du Vieux-Château)と呼ばれる崖の上で一人の婦人が散歩しているのを釣り人たちが見かけた。すると突然3発の銃声が鳴ったと思うと婦人が崖から宙に身をひるがえし、海岸の岩の上に墜落死したのである。
捜査の結果、この婦人は71歳の未亡人のオルトルー夫人で、パリ9区のアムステルダム街に住んでいたことがわかった。この不幸な女性は高価な宝石類と100フラン以上のお金を身に着けていた。彼女は警察署長に宛てた手紙で家政婦を包括相続者に指名していると書き記していた。
71歳のカミーユ=ポーリーヌ・オルトルー夫人は年金を受けて、パリ9区のアムステルダム街x番地の小さなアパルトマンに2年来住んでいた。家賃は年580フラン(月平均48フラン≒12万円)だった。
とても愛想がよく、いつも朗らかでオルトルー夫人は家政婦のバイエ夫人と毎日を穏やかに暮らしていた。家政婦は60歳でバティニョルのジョフロワ=ディドロ歩廊に住んでいた。
夫人には甥が一人いたが、長い間会っていなかった。彼女にはほとんど付き合いする人はなく、外出もごくたまにしかしなかった。季節のいい夏の間には、田舎に住む友人の若夫婦のもとで数週間過ごすことがあった。先週の金曜日の午後2時半頃、夫人は両手に旅行鞄を下げて部屋から下りてきた。そして管理人に辻馬車を呼んでくれるように頼み、とても陽気に「数日間留守にしますので」と挨拶して出かけた。
当紙が調査を進める上で知ったことだが、オルトルー夫人は7千フランの債務を払ってもらうために出かけたのだという。また先般10月7日には彼女は遺言書を作り、それを家政婦に手渡し、包括相続者にしたことを伝えたのだった。
「これが遺言書よ。この歳になればこの先何が起きるかわかりませんからね。」
オルトルー夫人を知っている人で、我々が尋ねまわった人はすべて、彼女が実年齢よりも20歳は若く見え、しかも自殺したことにとても驚いていた。
出典Crédit:©BNF-Gallica #618789 « Le Petit journal » No.17106, le 27 Oct. 1909
画像 Crédit photographique : © RMN / Agence Bulloz / Cote cliché : 03-002587 / Titre : Vue de la plage de Dieppe, prise du château / Auteur : Eva Gonzalès (1849-1883) / Localisation : Dieppe, château-musée
[ Ψ 蛇足 ]
ディエップ(Dieppe)の海岸を描いた絵は少なくないが、RMNのサイトにディエップ博物館所蔵の珍しいエヴァ・ゴンザレス(Eva Gonzalès, 1849-1883)の風景画「ディエップの浜辺のお城からの眺め」があったので、参考掲載した。エヴァはエドゥアール・マネの弟子兼モデルとなった女流画家の一人である。
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