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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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保養地ヴィシーで「スガン爺さんの山羊」のバレエ初演

1909年7月27日(火)

ヴィシーのカジノ附属劇場で7月27日に「スガンさんの山羊」を題材としたバレエの初演があった。これは、アルフォンス・ドーデの同名の掌編小説からフェラール夫人が台本を作り、音楽はバンジャマン・ゴダール、管弦楽編曲をモーリス・レヴィ氏が担当した。
振付師のソワィエ・ド・トンドゥ氏(Soyer de Tondeux)が素晴しい演出を用意し、ソーゲー氏(Saugey)は趣きのある巧みな踊りを演じ、公演は大成功であった。リュシー・メール嬢(Lucie Maire)は山羊のブランシェット役を踊って注目を集め、長い喝采が繰り返された。

出典 Crédit:©BNF-Gallica #288535 « Le Figaro » le 30 Juil. 1909

保養地ヴィシーで「スガン爺さんの山羊」のバレエ初演_f0028703_22492775.jpg[ Ψ 蛇足 ]
南仏アルルの近郊にあるアルフォンス・ドーデ(Alphonse Daudet, 1840-1897)所縁の風車小屋(Moulin de Daudet)は今でも愛好者が訪れる印象的な場所である。小生が訪れたのはかれこれ20年前になるが、今でもあの青い空、白い砂地、緑の木々の風景は脳裏に焼きついている。短篇集『風車小屋だより』(Lettres de mon moulin)はこの風車小屋に住みついたドーデが南仏の風物や逸話をパリの雑誌社に書き送ったのをまとめたもので、読んで親しみやすい一冊である。「アルルの女」(l’Arlesienne)の話も入っている。
「スガンさんの山羊」(La Chèvre de monsieur Seguin)の話も寓話風の掌編で、読み飛ばして題名だけは記憶の片隅に残っていた。この風車小屋を訪れたのは真夏で、バカンス中の親に連れられた子供たちを多く見かけた。その子供たちの多くが口々に「スガンさんの…」「山羊」と話すのを見て、「どうもこの話はフランスでは有名な童話になっているらしい。」と判断したのだった。
「スガンさんの山羊」は一口で言えば、農場で安穏と暮らすのがいやになった山羊が、自由を求めて窓から逃げ出して山に行き、昼は楽しさを満喫するが、夜になって狼に襲われ、夜明けまで抵抗するが力尽きて食べられてしまう、という話である。(— Écoutez, monsieur Seguin, je me languis chez vous, laissez-moi aller dans la montagne.)
下記の参考サイトに Youtube から拾ったURLを紹介するが、(3)はお子様番組でシャンタル・ゴヤ(Chantal Goya)が歌う「スガンさんの山羊」、(4)はアレクシス君が絵本を読んでくれる。ただし絵本の文章はドーデの原文ではなく、子供向けに書き直してあるようだ。時間があれば参照されたい。

バレエに使われたバンジャマン・ゴダール(Benjamin Godard, 1849-1895)の音楽は、器楽曲から編曲されたものと考える。この時、ゴダールはドーデ共々すでに故人となっていた。

*参考サイト:
(1)Wikipedia(仏語)La Chèvre de monsieur Seguin
(2)Wikisource(仏語原典)Lettres de mon moulin/La chèvre de monsieur Seguin
(3)Youtube(仏語)Chantal Goya chante - La Chèvre de M. Seguin
(4)Youtube(仏語)Alexis raconte - La Chèvre de M. Seguin
by utsushihara | 2009-08-03 22:43 | オペラ、音楽、演劇1909-10