フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


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弩級戦艦「ダントン」の進水式のやり直し

1909年7月4日(日)
f0028703_2020268.jpg


我が海軍の4隻目にあたる新型弩級戦艦「ダントン」(Danton)の進水式は当初5月22日、ブレストで華々しく執り行なわれたが、原因不明の失敗に終わった。造船台の支柱が次々に倒され、熱狂的な歓声の中、指示通り船体は誘導路を滑り下りて行ったが、道半ばの47mのところで突然停止したのである。急いで曳航船に引かせようとしてみたが、「ダントン」は強情を張るようにそれ以上動こうとしなかった。索具で牽引するという前例がない試みは6500tの重みで曳き船を壊しかねないことがわかった。軍楽隊は勝利の賛歌を中断して沈黙し、群衆は寂しく散会した。何という幻滅であろうか!

当局はさっそく原因の究明に着手した。造船所へ何度もの細かい調査が繰り返され、作業員のサボタージュを含め、様々な憶測は虱潰しに検証された。多くの要因が明るみに出た。まず、造船台の傾斜の不十分さが挙げられた。ここでの傾斜は55/1000mmであるのに、かつて戦艦「デモクラシー」を進水させたブーシュリ造船台は73/1000mmであった。
次いで、溶けた潤滑油の重ね塗りの施工が指摘された。ブレストでは伝統的に固形の潤滑油が使われていた。塗布の厚みも昔は30mmだったのが、今はその半分になっていた。さらに誘導路への加重が6.757kg/c㎡と渠の傾斜に対し3倍重い数値となっていた。
これらの要因が明るみに出たものの、その結果に対する責任者の明確化と処罰が出されることはなかった。フランス海軍にかくも長い間つきまとっているのは、つねに不運であり、未知の力であるのだ。(Des responsabilités, il n’en était pas question. Comme toujours, c’était la malchance, force inconnue qui depuis si longtemps s’acharne sur la marine française.)

f0028703_20383634.jpgこうした諸問題を解決したうえで2度目の進水式は、今回は関係者だけで7月4日に行なわれた。国旗の飾りつけもなく、軍楽隊もなかった。しかし悪夢は終わった。「ダントン」は75mの誘導路を静かに進み、無事に海上に浮かんだのであった。

出典 Crédit:©BNF-Gallica #569112-3 « Le Matin » No.9259-60; le 4-5 Juil. 1909

[ Ψ 蛇足 ]
国家の威信を賭けたドレッドノート級(弩級)戦艦の進水式が一度でも失敗するなど、決して許されるものではないはずである。日本軍部だったら厳しい譴責があっただろう。「縁起でもない」ことである。
フランス製の工業製品にしても、デザインの独特な発想や配色などの素晴しさは認めることはできるが、精緻さでは万全を期すことができない確率は高い。お国柄なのだろうか?

**これまでの関連記事france100.exblog:最新鋭戦艦「ディドロ」と「コンドルセ」の進水式(1909.04.19)
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by utsushihara | 2009-07-04 20:17 | 科学、軍事、海事1909-10