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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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ベルトンの新作劇『出会い』の初演

1909年6月17日(木)

ピエール・ベルトン氏の4幕劇『出会い』(Rencontre)は6月17日コメディ・フランセーズ座で初演がおこなわれ、目覚ましい成功をおさめた。作者のベルトン氏はすでに『ザザ』(Zaza)や『二人の小僧』(Deux Gosses)でも高い評価を得た幸運な劇作家の一人である。

ベルトンの新作劇『出会い』の初演_f0028703_18321124.jpg代議士のセルヴァル(ジョルジュ・グラン演)は庶民の出で、独力でその地位を築いた直截的な人物で、上流気取りの軽薄な女ルネ(プロヴォスト演)と結婚している。彼女は夫の価値をまったく理解せず、外交畑で上品な若いブレヴァンヌ(ポール・ニュマ演)と気持を通わせている。ルネのような頭の空っぽの小鳥が誘惑されるにはそれだけで十分だった。
ある日、セルヴァルは若く知性的で豊かな感性を持った寡婦のカミーユ・ド・ランセー(セシル・ソレル演)と出会う。彼は直ちに自分の妻との余りの違いを見出し、2人は互いに恋情を抱くようになる。しかし真面目な2人は心を欺くことを嫌い、カミーユも悩みながらも彼から遠ざかろうとする。別離を宣言しようとしていたその時、偶然にも彼女はルネとブレヴァンヌの密会の場面を発見する。カミーユはこのことをセルヴァルに伝えて彼を自分のもとに引き留めるべきか、それともルネの不倫を暴露せずにセルヴァルの夫婦関係を取り繕うべきかと悩む。・・・

(7月8日付の「フィガロ」紙の「時の人」(Instantané)欄の記事より)
現在コメディ・フランセーズ座で上演中の『出会い』でセシル・ソレル嬢は大成功を博している。優しさ、繊細さ、感動的で、痛々しいといった表情から、気短かで、激情の、勝ち誇った、幸福に満ちた感情表現まで、彼女の扮する若く美しい寡婦のカミーユ・ド・ランセー役の稀にみる多様な感情の変化を見事に演じている。ソレル嬢の経歴の中でこの演目は、女優としての才能に大きな価値を残すことになるだろう。これまでどちらかと言えば、彼女は魅力あふれるコケット女の配役が多かったが、そこに自然な優雅さ、あるいは精神的な尊厳のようなものが加わって、観客は、慎み深さとともに力強さや心理葛藤の表れるヒロインを目の当たりにすることができる。

出典Crédit:©BNF-Gallica #102985 « Je sais tout » No.55; Août, 1909
出典 Crédit:©BNF-Gallica #288513 « Le Figaro » le 8 Juil. 1909
出典Crédit:©BNF-Gallica #5525557 « Touche à tout » No.7; Juillet, 1909
画像 Crédit photographique : © RMN / Hervé Lewandowski / Cote cliché : 00-009397 / Fonds : Photographies / Titre : Pierre Berton / Description : Collection Félix Potin / Auteur : Anonyme / Localisation : Paris, Musée d'Orsay
出典 Crédit:©BNF-Gallica #82886 « Dictionnaire national des contemporains » Tome III ; Pierre Berton

ベルトンの新作劇『出会い』の初演_f0028703_18324111.jpg[ Ψ 蛇足 ]
(再掲)セシル・ソレル(Cécile Sorel, 1873-1966)は当時最も人気のあった美人女優の一人である。この占いのときは33歳。大物政治家との関係も取り沙汰され、すでに成功者の地位を確立していたものと思われる。
(←)劇作家ピエール・ベルトン(Pierre Berton, 1842-1912)は芸術家の家系に生まれ、父親も有名な俳優であった。若くして演劇の道に進み、俳優として多くの舞台を経験するかたわら劇作やオペラの台本も手がけた。23歳のときに初演された1幕劇『カディヤックの罵言』(Les Jurons de Cadillac)はコクラン兄弟の演目ともなった。また4幕劇『レナ』(Lena)は1889年4月にヴァリエテ座でサラ・ベルナールの主演、作者のベルトンも出演し、成功作となった。上記の『出会い』(Rencontre)もこの年(1909年6~7月)には大いに注目された出し物で、新聞雑誌で取り上げられた。

**これまでの関連記事france100.exblog:
(1)女優セシル・ソレルの手相&星占い+筆跡占い(1906.11)
(2)隠退俳優の養老施設のための慈善公演(1908)(1908.08.16)ピエール・ベルトンの一幕劇『カディヤックの罵言』
by utsushihara | 2009-06-19 18:30 | オペラ、音楽、演劇1909-10