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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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詩人ジャン・ラオールの死

1909年7月1日(木)
詩人ジャン・ラオールの死_f0028703_11302656.jpg医師のアンリ・カザリス氏が7月1日ジュネーヴで亡くなった。詩人ジャン・ラオールの筆名でミューズの庭に花を咲かせた人でもあった。彼は最近のアカデミー会員選挙に何度か立候補を続けたが果せなかった。69歳だった。彼はまた熱意と見識をもって公共施設、学校、勤労者住宅などの美化と衛生に身を捧げた。

出典 Crédit:©BNF-Gallica #5526293 « Touche à tout » No.9; Sep. 1909
画像 Crédit photographique:©BNF-Gallica #5738243 « La Revue hebdomadaire et son supplément illustré » No.32; 7 Août, 1909

[ Ψ 蛇足 ]
ジャン・ラオール(Jean Lahor)ことアンリ・カザリス(Henri Cazalis, 1840-1909)は、19世紀後半の高踏派詩人の一人として同時代のフランス歌曲の歌詞に多く採りあげられた。特にアンリ・デュパルク(Henri Duparc, 1848-1933)による少なくとも3つの歌曲(「悲しき歌」Chanson triste、「恍惚」Extase、「フィレンツェのセレナード」Sérénade florentine)は珠玉の名作とされている。他にもサン=サーンス、ショーソン、レイナルド・アーンなどが曲をつけている。

《フランス歌曲の作曲家と詩人たち》のサイトから:『悲しき歌』(Chanson triste)の歌詞を紹介する。 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/1211/musicont/melextr/melchatris.html

『悲しき歌』       ____   Chanson triste
ジャン・ラオール詩 ____  Poème de Jean Lahor
アンリ・デュパルク曲 ____  Musique d’Henri Duparc

夏のやさしい月の      Dans ton cœur dort un clair de lune,
あかりは君のこころに    Un doux clair de lune d'été,
生きるいや気をのがれ   Et pour fuir la vie importune
溺れよう君のひかりに    Je me noierai dans ta clarté

過去の悩みを忘れよう   J'oublierai les douleurs passées,
君がやさしい腕で      Mon amour, quand tu berceras
僕のさみしい心を      Mon triste cœur et mes pensées
なだめてくれるなら     Dans le calme aimant de tes bras

病める僕の頭を       Tu prendras ma tête malade
時にはひざを枕に      Oh! quelquefois sur tes genoux,
昔話をしておくれ       Et lui diras une ballade
僕たちのことのような    Qui semblera parler de nous

悲しみに満ちた君の    Et dans tes yeux pleins de tristesse
瞳を見つめて僕は      Dans tes yeux alors je boirai
飲もう口づけと優しさを   Tant de baisers et de tendresses
きっと癒るように       Que peut-être je guérirai

(故・雲野教授の仮訳による写原案)
詩人ジャン・ラオールの死_f0028703_16303013.jpg

上掲の写真が載った「週間評論」誌(La Revue hebdomadaire)の32号(1909.08.07付)には、文芸評論家ジュール・ボワ(Jules Bois)による『あるフランス人仏教徒:ジャン・ラオール』(Un Bouddhiste français : Jean Lahor)という興味深い小論が掲載されており、BNF-Gallicaで見ることができる。「仏教徒」という言い方が気になる。(未読)

*参考サイト:
(1)Wikipedia(仏語)Henri Cazalis
(2)Youtube(レジーヌ・クレスパンの歌唱)Régine Crespin: "Chanson Triste" by Henri Duparc

**これまでの関連記事france100.exblog:
(1)新刊情報:バルビュス「地獄」ほか
[3] 医師アンリ・カザリスの詩集「中東にて」と「安価な食物摂取」(1907.11)
(2)アカデミー会員補充選挙の候補者たち(1907.10)
by utsushihara | 2009-07-08 11:28 | 文芸、評論1909-10