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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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ニューヨークの6日間走破レース

1909年3月13日(土)ニューヨークの6日間走破レース_f0028703_17565521.jpg

ニューヨークのマディソン・スクエア競技場で行なわれた6日間走破レースにおいて、フランスの2人組シボとオルフェが華々しい優勝を遂げた。
当初このレースは6日間自転車レースとまったく同じルールで、2人1組の走者が互いに引き継ぎながら6日間周回コースを走り続けることになっていたが、最後に警察によって各走者に1日当たり6時間の休息を強制するように変更された。出発は8日(月)の午前0時5分だった。21組の参加者が出走した。最初の日は米国のディスマー=プロンティ組が目覚しい走りで、フランスは数周の遅れをつけられた。しかし2日目以降、シボ=オルフェ組は主導権を握り、他チームの激しい追い上げを振りきって最後まで先頭を守り抜いた。
次第に脱落者が増え、最後は8組のみが残った。フランス・チーム以外の走者は疲労が極限に達し、ひどい衰弱状態に陥り、何人かは妄想に囚われた。
レースは13日(土)の午後10時5分に終了した。出発から142時間経っていた。優勝したフランス・チームは732マイルと6周、つまり1178km980であった。残念ながら1902年2月の米国チームが樹立した記録を破ることはできなかった。2位は米国のメクトール=ダヴィッド組で30kmの遅れだった。ディスマー=プロンティ組は3位だった。レース前の予想では3番手だったシボ=オルフェ組は観衆から熱狂的な祝福を受けた。

出典Crédit:©BNF-Gallica #618563 «Le Petit journal» No.16880, le 15 Mar. 1909
出典Crédit:©BNF-Gallica #102984 « Je sais tout » No.51; Avr. 1909

[ Ψ 蛇足 ]
長距離走のレースは、近代オリンピックの開始に合わせて盛んに行なわれるようになったようだ。不眠不休で6日間のレースとは、生命の極限に追い込む危険なレースだと思う。
優勝者の一人、エドゥアール・シボ(Edouad Cibot, 1883-1917)は、1902年のフランス最初のマラソン・レースで優勝した。コースは、パリ西北のコンフラン・サン=トノリーヌからパリ市内までのコースで記録は2時間34分50秒だった。彼は1903年のパリ~ランス間マラソンでも優勝している。
もう一人のルイ・オルフェ(Louis Orphée, 1883-1959)は1904年のコンフラン~パリの優勝者である。

ニューヨークの6日間走破レース_f0028703_17571767.jpgこの同時期にベルリンでも「6日間自転車走破レース」が3月15日から21日まで開催され、マクファーランド=モラン組(MacFarland=Moran)が優勝している。こちらは自転車なので、記録が3306km250と2倍以上の距離が出た。(画像→)

*参考サイト:YaNoo.net: Le portail de la course à pied en Bretagne(仏語)Le 1er marathon de France
by utsushihara | 2009-03-16 17:55 | スポーツ、乗物、探検1909-10