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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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カザルス夫人と称するギレルミーナ・スッジアのチェロ独奏

カザルス夫人と称するギレルミーナ・スッジアのチェロ独奏_f0028703_17502893.jpg1908年2月28日(金)

ガヴォー楽堂では去る2月7日に引き続き、28日にパブロ・カザルス氏の指揮、ラムルー管弦楽団の演奏による2回目の演奏会を開く。曲目は以下の通りである。
①ブラームス(Brahms):交響曲第3番(Symphonie No.3)
②エマヌエル・モール(Emanuel Moór):三重協奏曲(Triple Concerto)
独奏:アルフレッド・コルトー(Alfred Cortot, Pf)、ジャック・ティボー(Jacques Thibaud, Vn)、パブロ・カザルス(Pablo Casals, Vc & Cond.)
③ドヴォルザーク(Dvorak):チェロ協奏曲(Concerto pour Violoncelle et orchestre)
独奏:ギレルミーナ・スッジア(Guilhermina Suggia, Vc)

出典 Crédit:©BNF-Gallica #287987 « Le Figaro » le 3 Fév. 1908
出典 Crédit:©BNF-Gallica #288012 « Le Figaro » le 28 Fév. 1908
画像 Crédit photographique:©Figuras da Cultura Portuguesa: Guilhermina Suggia
www.instituto-camoes.pt/cvc/figuras/gsuggia.html

[ Ψ 蛇足 ]
ギレルミーナ・スッジア(Guilhermina Suggia, 1885-1950)はポルトガル出身の女流チェロ奏者である。カザルスよりも9歳年下ながら非常にすぐれた芸術性と技量を備えた演奏家であった。声楽はともかく、器楽奏者としての女性の活躍の場はまだまだ少なかった。彼女はカザルスに師事する傍ら演奏活動にも加わった。この2月7日の最初にカザルスが指揮をした演奏会でも、エマヌエル・モール(Emanuel Moór, 1863-1931)作曲の「2つのチェロのための協奏曲」をカザルスとともに演奏している。当時のプログラムにはカザルス=スッジア夫人(Mme Casals-Suggia)として紹介されているが、正しくは同棲であり結婚はしていなかった。上記の演奏会ではドヴォルザークの名曲「チェロ協奏曲」の独奏で出演したが、指揮はカザルスだった。
後世、英国ではスッジアの業績を記念して女性チェロ奏者のための「スッジア賞」を設立しており、もはや伝説的な女流チェロ奏者となったジャクリーヌ・デュ・プレもこの賞を獲ている。ロンドンのテート・ギャラリーに一番有名なスッジアの肖像画がある。
作曲家エマヌエル・モール(Emanuel Moór, 1863-1931)は、ハンガリー出身でウィーンで学んだあと19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した欧州の名演奏家イザイ、コルトー、ティボー、カザルスらのために多くの作品を残した。当時積極的に演奏されたのは上記の「三重協奏曲」や「2つのチェロのための協奏曲」でもうかがい知ることができる。特にチェロ・ソナタや室内楽曲は現在CDで入手できる。

*参考サイト:
(1)Wikipedia(英文)Guilhermina Suggia ギレルミーナ・スッジア
(2)Tate Collection On-Line : Madame Suggia by Augustus John OM (1878-1961)「チェロを奏くスッジア夫人」
(3)Amazon.jp : Emanuel Moór エマヌエル・モールのCD

**これまでの関連記事france100.exblog:
(1)パブロ・カザルスの初めての指揮と独奏(1908.02.07)
(2)コルトー・ティボー・カザルスの三重協奏曲(1908.02.16)
by utsushihara | 2008-02-28 23:45 | オペラ、音楽、演劇1907-08