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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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コロンブのセーヌ河岸の謎の水死体(前篇)(ベルエポック事件簿)

1908年1月31日(金)

コロンブ付近のセーヌ河岸に数日前から停泊していた平底船「ラ・ストラ」号の乗組員たちは、昨日(30日)岸辺を通りかかったある女性から川の中に死体が浮いていると教えられた。彼らは鈎竿で死体を引っ掛け、陸地に引き揚げることができた。

クールブヴォワの警察署長ロンプレ氏がすぐに調べてみたところ、20代の青年で胸と背中を刃物で少なくとも13回刺された痕があり、死後3~4日経過していると思われた。被害者はおそらく数人のならず者に襲われ、殺された後にセーヌ川に投げ込まれたのだろう。

直ちにパリ警視庁のアマール警視が呼び出され、彼は捜査を開始し、アルジャントゥイユ、コロンブ、クールブヴォワにまたがる地域に6人の刑事を取り掛からせた。セーヌ川両岸沿いのすべてのホテルを訪ねたが、何の手がかりも得られなかった。

被害者の男性の特徴は下記の通りである。年齢20歳位、身長1m70、栗色の髪で「ブレッサン」風にカットされている。目は灰色、鼻は中くらい、細面長で頬骨が突き出ている。右の頬に古い傷跡がある。左足脛に昔の火傷の痕がある。
服装は、濃灰色の縞模様のコート、黒い幅広の縞の入った黄灰色の上着とチョッキ、黒いツイードのズボン、綿のワイシャツは濃灰色で裾に洗濯ネームのI.B.のイニシャルが付いている。かかとを直した編み上げ靴を履いている。
ポケットの中には、真新しい女物のハンカチ、金庫の鍵1つ、鉄道切符が1枚見つかった。この切符はサン=ラザール~ヴァレ間の往復切符の復路分で、10月に発行されている。
被害者の右指には銀の指輪があり、「思い出」(Souvenir)という銘が入っている。

法医学死体安置所(モルグ)にはまだ誰も身元確認に来ていない。今日トワノ博士が司法解剖することになっている。検察局から予審判事としてアンドレ氏が指名されている。

出典Crédit:©BNF-Gallica #287984 « Le Figaro » le 31 Jan. 1908

[ Ψ 蛇足 ]
原題:Un crime mystérieux : Le noyé de Colombes
事件の現場コロンブ(Colombes)はパリ北西部郊外のセーヌ川沿いの町である。対岸がアルジャントゥイユ(Argenteuil)になる。
警視庁のアマール警視(M. Hamard, le chef de la Sureté)
コロンブのセーヌ河岸の謎の水死体(前篇)(ベルエポック事件簿)_f0028703_22165860.jpg
画像 Crédit d’image : ©Carte routière Michelin; No.101 Banlieue de Paris

*[慣用句] 胸と背中を刃物で少なくとも13回刺された痕があり(ne portait pas moins de treize coups de couteau dans la poitrine et au dos)
これは上記では直訳してみたが、13という数字は(恨みを込めた殺意から)「たくさんの」刺し傷という意味ではないかと思う。

**関連記事france100.exblog:コロンブ事件(後篇)(1908.02.02)

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by utsushihara | 2008-01-31 17:52 | ★ベルエポック事件簿1908