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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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新演出による歌劇「ファウスト」上演

新演出による歌劇「ファウスト」上演_f0028703_1875683.jpg1908年1月27日(月)

オペラ座では1月27日午後7時45分、グノーの歌劇「ファウスト」5幕7場の公演から活動を再開する。これは1299回目の公演となる。配役は、
ファウスト(Faust): リュシアン・ミュラトーレ氏(Lucien Muratore)
メフィストフェレス(Méphistophélès): フランシスク・デルマ氏(Francisque Delmas)
マルグリット(Marguerite): ジャンヌ・アット嬢(Jeanne Hatto)
シエベル(Siebel): マスティオ嬢(Mastio)(新人)
ヴァランタン(Valentin): ダンジェス氏(Dangès)(新人)
であり、オーケストラ指揮はポール・ヴィダル氏となっている。演出、舞台装置、衣裳はすべて新しいものとなっている。
新演出による歌劇「ファウスト」上演_f0028703_18115920.jpg
(1月20日付の「フィガロ」の記事から)
オペラ座新支配人のブルッサン氏とメサジェ氏は、新体制のオペラ座を1月27日(月)歌劇「ファウスト」によって開始することを正式に決定した。既報の通り、このグノーの傑作は新しい演出、新しい舞台装置、すっかり新しい衣裳によって観客にお披露目となる。
来たる25日(土)は限られた人々のための総練習が行なわれる。事務局からは《報道関係者のみ》という通知が届いている。

出典Crédit:©BNF-Gallica #287970 « Le Figaro » le 17 Jan. 1908
出典Crédit:©BNF-Gallica #287973 « Le Figaro » le 20 Jan. 1908
出典Crédit:©BNF-Gallica #287980 « Le Figaro » le 27 Jan. 1908
画像 Crédit d’image : ©CMN: Archives photographiques (Médiathèque du Patrimoine et de l'Architecture) Marguerite-Jeanne Hatto, dans “Faust”; Atellier Nadar, pris 1908.02.14
画像 Crédit d’image : ©Wikisource; James Tissot "Faust" (détail)

[ Ψ 蛇足 ]
下記に引用した「パリ楽壇70年」でも「ファウスト」が19~20世紀初頭にかけてパリ・オペラ座の中心看板だったことがわかる。今回の女主人公役のジャンヌ・アット(Jeanne Hatto, 1879-1958)の美しく清楚なイメージはマルグリットとしてぴったりだったのではないだろうか。(↑)
*参考サイト:Lotz-verlag—Literatur-Postkarten; Jeanne Hatto
新演出による歌劇「ファウスト」上演_f0028703_18234162.jpg1月17日のフィガロ掲載のアルベール・ギヨーム(Albert Guillaume)による「ファウスト」の戯画(←)では、マルグリットに「あたし、宝石よりも真珠の首飾りが欲しかったの」と言わせている。

***アンリ・ビュッセル著「パリ楽壇70年」、©池内友次郎・訳編、音楽之友社刊より引用:
[第10章] (・・・)しかしグノーの「ファウスト」はいわばオペラ座の中心基石であって、新支配人たちの最初の配慮は、演出と装置と衣裳を一新することであった。それはデューラーからホルバインに至る浪漫的精神にのっとっていた。その実行を監督するのは、画家のピエール・ラガルドであった。

1908年1月13日(月):メサジェの支配人室で、これまでなかったことだが、ポール・ヴィダルとバシュレとラボーと私たちオーケストラ指揮者が集合する。それは、グノー自身が指揮した第500回公演においてポール・タファネルがメトロノームで記録したのであったが、その「ファウスト」の正確な速度をつかむためである。

1908年1月25日(土):画家パンションによって意匠された新しい装置と衣裳で「ファウスト」の総練習。テノールのミュラトールは、ホルバイン精神そのものである。ジャンヌ・アットとデルマを中心とする選抜された歌手たち。ポール・ヴィダルが指揮台に立つ。メサジェが自分一存にあまりにも厳しく、合唱者たちに当たりちらす。彼はこの劇場の平和を好む習慣を少しかき乱す・・・
by utsushihara | 2008-01-27 18:06 | オペラ、音楽、演劇1907-08