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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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ガストン・ルルー「黄色い部屋の謎」の刊行

1907年12月

わが書籍出版部はガストン・ルルー氏による「黄色い部屋の謎」を刊行したところである。この本は、若く洞察力のある新聞記者ジョゼフ・ルールタビーユの最初の事件であり、読者にとっては初出誌に掲載されたときと同じように、かなりの成功作に出会ったように思うだろう。この犯罪捜査の物語は単行本という形をとって、並外れた器用さと知性を兼ね備えた若き素人探偵が、黄色い部屋の苦悶に満ちた謎を解明する活躍を描き、多くの読者に息つく隙も与えないだろうと思われる。最後の1ページまで結果が予測できない、かくも風変わりで夢中にさせるこの作品は、今や大いに売り出されている。別掲にあるような色刷りの表紙で1冊3フラン50である。

出典Crédit:BNF-Gallica #102981 « Je sais tout » No.36; Jan. 1908; Notes des éditeurs
画像Crédit d’image :Wikisource : Image:Leroux Chambre Jaune.jpg
http://en.wikisource.org/wiki/Image:Leroux_Chambre_Jaune.jpg?match=fr
ガストン・ルルー「黄色い部屋の謎」の刊行_f0028703_11175267.jpg
[ Ψ 蛇足 ]
上記は「ジュセトゥ」1908年1月号(12/15発売)の編集後記に記述のあった宣伝文句である。《わが書籍出版部》とはこの「ジュセトゥ」の版元であるピエール・ラフィット社(Éditions Pierre Lafitte)の書籍出版部門のことである。「黄色い部屋の謎」(Le Mystère de la chambre jaune)はフランス・ミステリーの古典的名作で、外部との出入りが閉ざされた密室での事件の謎をどう解明するのかがトリックとして後世の推理小説に大きな影響を与えた。初出誌は、絵入り新聞「イリュストラシオン」の別冊土曜版(Supplément de l’Illustration)で、連載第1回が1907年9月7日に始まった。
作者のガストン・ルルー(Gaston Leroux, 1868-1927)も長い間ジャーナリストとしてロシアの特派員をやったり、小説や劇を発表したりしていたが、モーリス・ルブランやシャーロック・ホームズの人気に刺激を受けた謎解き小説を書こうと、自らの経験をもとに新しい主人公ルールタビーユを生み出した。すでにこの第1作からシリーズ化を構想していたと思われるのは、副題としてアルセーヌ・ルパンに類似した「新聞記者ジョゼフ・ルールタビーユの途方もない冒険の数々」(Les Aventures extraordinaires de Joseph Rouletabille)と複数形でつけているからである。
下の参考サイト(4)(5)にもあるように2003年6月に映画化されていたが、残念ながら日本には入ってこなかった。(DVD邦訳字幕版等の商品化もされなかった。)

*参考サイト
(1)L’Univers de Joseph Rouletabille(ジョゼフ・ルールタビーユの世界:仏語)
(2)Wikisource : La bibliothèque libre ; Mystère de la chambre jaune, par Gaston Leroux(原書のネット無料閲覧ウィキソース:仏語)
(3)BNF-Gallica #80520 : Le Mystère de la chambre jaune, par Gaston Leroux(原書のBNFファクシミリ版1910年版:仏語、レトロな挿絵が豊富)
(4)Cinebel.be; Le Mystère de la chambre jaune(シネベル仏語の映画サイト:黄色い部屋の謎)
(5)楽天Blogフランスのブルゴーニュから:「黄色い部屋の謎」があった城

**これまでの関連記事france100.exblog:
(1)今シーズンのオペラ座(1906年~07年)(1906.09)支配人ペドロ・ゲラールと「オペラ座の怪人」
(2)オデオン座でヴィニーの「チャタトン」再演(1907.01.26) ルルーの劇作「判事たちの家」の紹介

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by utsushihara | 2007-12-13 11:16 | 文芸、評論1907-08