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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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ハイネ原作の音楽劇「ウィリアム・ラトクリフ」

ハイネ原作の音楽劇「ウィリアム・ラトクリフ」_f0028703_19281470.jpg1906年1月25日(木)

ニースのオペラ劇場では25日ハインリッヒ・ハイネの原作、グザヴィエ・ルルーの作曲による4幕の音楽劇が上演された。ド・グラモン氏の非常に劇的な内容の台本にルルー氏が作曲したのはすでに13年前のことであり、ワーグナーの影響を受けた美しい作品である。劇のクライマックスは第4幕の凄惨な場面である。
ジル・ブラス紙の評によると「グザヴィエ・ルルー氏の管弦楽法は巨匠の腕前として明らかであり、完璧な表現となっている。また今日の音楽家の中でこれだけの賞賛に価する人はごくわずかしかいない。」と述べている。演奏はルルー氏本人が指揮をとり、出演はデルマ氏、エグロン女史などとなっている。

出典:BNF-Gallica #102978 « Je sais tout » No.13; Fév. 1906

[ Ψ 蛇足 ]
作曲者のグザヴィエ・ルルーは正式にはグザヴィエ=アンリ=ナポレオン・ルルーXavier-Henry-Napoléon Leroux (1863-1919) といい、名前負けしそうな懸念にたがわず、なぜか今日では忘却のかなたに沈んでいる。中部イタリアのヴェレッティ生まれ、パリ音楽院に学び、マスネ、デュボワに師事する。1885年にローマ賞を獲得し、イタリアに留学した。1896年以降、パリ音楽院の和声学の教授となるかたわら、ニース、モンテカルロ、パリなどで活躍し、音楽劇、オペレッタなどを書いた。

「ウィリアム・ラトクリフ」(William Ratcliff) は、ハイネの青年期1822年1月に書いた悲劇で、スコットランドを舞台とする血なまぐさい2世代にわたる男女の愛憎劇である。ハインリッヒ・ハイネHeinrich Heine (1797~1856) は短い人生の後半をパリで過ごし、死去したが、ロマン主義詩人としての名声は高く、この悲劇作品も何人かの作曲家によって取り上げられている。ロシア五人組のセザール・キュイは1869年2月に4幕のオペラとしてセント=ペテルブルクのマリイン劇場で初演した。

最も知名度のあるのは、イタリアのヴェリスモ・オペラのマスカーニによる「グリエルモ・ラトクリフ」(Guglielmo Ratcliff)で、彼の傑作「カヴァレリア・ルスティカーナ」の成功(1890)のあと、若い頃書いていたこのオペラを書き直して1895年2月にスカラ座で初演し、大成功をおさめた。全曲CDも出ている。この経緯についてはディヴィッド・スティヴェンダー氏(David Stivender)による非常に詳細な文献がネットで閲覧できる。「グリエルモGuglielmo」はイタリア語で「ウィリアム William」の名前の言い換えである。 Notes on Guglielmo Ratcliff, Mascagni 4 actes (英文)
by utsushihara | 2006-01-25 19:26 | オペラ、音楽、演劇1905-06