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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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フェミナ劇場の落成

1907年3月19日(火)

シャンゼリゼ大通り90番地の当ピエール・ラフィット社の建物内に設けられたフェミナ劇場の落成式は3月19日、第一次購読者の出席者を前に華麗に行なわれた。その記念公演の概要については次号でお伝えしたい。
この美しい劇場の設計は建築家のアンリ・プティ氏によるもので、内装として彫刻家のコニェ氏が現代の男優・女優の顔から採った一連の面白い仮面が飾られている。パリの劇場の中では掛け値なしにレジャーヌ劇場に匹敵する最もおしゃれな、最もパリ的な劇場であると言えよう。可動式の床面で、平土間が舞踏会のホールとして模様替えも可能なので、パリの社交界や芸術家たちが様々な催し物、舞踏会、公演に好んで出入りする場所となるに違いない。
フェミナ劇場の落成_f0028703_173163.jpg
出典:BNF-Gallica #102980 « Je sais tout » No.27; AVR. 1907

[ Ψ 蛇足 ]
フェミナ劇場(Théâtre Femina)は、ピエール・ラフィット出版社がシャンゼリゼ90番地に新社屋として作った建物に併設された劇場である。「ジュセトゥ」の姉妹紙として婦人向け雑誌「フェミナ」(Femina)も発行しており、その名前を劇場に付けたのだろう。

21世紀の現在の映画館には演劇場という前身がある。現在でも○○劇場、テアトル××、△△座、という名称の上映館にはスクリーンの前に舞台のような部分がかつては残っていた。百年前はまだ映画は黎明期で、一連の動く写真つまり「活動写真」がやっと見せ物になった頃である。1910年代から次第にこうした演劇場の奥に幕を張り、演技をせずに映画を上映する形になっていった。この頃はまだまだ演劇が人々の娯楽の最高位を占めていたのである。

「フェミナ劇場」に関する画像資料が今のところまったく見つからないのが残念である。新社屋を祝うイラスト記事(→)のみである。シャンゼリゼの大通りの中ほど、ベリ街(rue de Berri)との角付近が90番地に当たるが、今では建物の内部が改装されて跡形も無くなっていると思われる。文学史的には、1908年に当時19歳の青年であったジャン・コクトーのためにマックスという俳優がその天才的な詩の朗読をする「マチネ・ポエティーク」(Matinée poétique)を開いて評判になったという場所である。
by utsushihara | 2007-03-19 17:03 | オペラ、音楽、演劇1907-08