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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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潜水艦「リュタン」の沈没

潜水艦「リュタン」の沈没_f0028703_21335111.jpg1906年10月16日(火)

潜水艦「リュタン」は10月16日の午前、潜水訓練実施のため引き船「イスクール」に曳航されてビゼルト港の沖合に出たが、通常の潜水を2度実施した後、消息を絶った。海面の天候は荒天でうねりがあり、雨が降っていた。「イスクール」は潜水艦が潜水を開始した場所にブイ(浮標)を置き、すぐさま司令部のベリュック提督に通報した。彼の指揮のもと水深36mの水圧に耐えて探査が行なわれ、「リュタン」はたしかにその海底で水平に沈んだままになっていることが測定された。救出作業がすぐさま開始された。「リュタン」には11名の乗組員と2名の士官、艦長のフェポー大尉とミヨ中尉が乗り込んでいた。
潜水艦の事故については、昨年ビゼルトで同じような潜水艦「ファルファデ」の沈没事故が起きている。このときは水深わずか10mのところだったが、引き揚げたときには生存者は残念なことに皆無であった。

出典:BNF-Gallica #102979 « Je sais tout » No.21; NOV. 1906
画像Crédit d’image : © Le Petit Journal, supplément illustré; du 4 novembre 1906
潜水艦「リュタン」の沈没_f0028703_2133716.jpg
[ Ψ 蛇足 ]
右掲(→)のプチ・ジュルナル11月4日号の表紙では、海事大臣トムソン氏が潜水艦「コリガン」(Korrigan)に乗り込んで救出作業に立ち会う場面を描いている。1年前の「ファルファデ」(Farfadet)の事故とは1905年7月に起きたもので、軍事演習でもこうした海難事故が多発したのは痛ましい。

[ ΨΨ 蛇足の蛇足 ]
(こうした事故の記事のあとでは不謹慎のようで申し訳ない。)余談になるが潜水艦の名前「リュタン」(Lutin)は普通名詞で、いたずらっ子、わんぱく小僧、小妖精の意味である。どうしてこうしたふざけた名前をつけたのかと思うが、恐らく敵の目を眩ませて神出鬼没の攻撃をする潜水艦に、という思いからなのだろう。ちなみに「ファルファデ」(Farfadet)も普通名詞で小妖精という意味になっている。・・・そのあと「まさか」と思って辞書を引いてみたら「コリガン」(Korrigan)もまた、ブルターニュ地方の伝説中の妖精、しばしば悪戯をする、と書いてあった。

神出鬼没のリュタン(Lutin)の言葉の響きには、怪盗ルパン(=リュパン, Lupin)に通じるものがある。悪ふざけをする点もなんとなく共通する。フランス人は無意識でも感じ取っていたのだろうか?
by utsushihara | 2006-10-16 17:20 | 科学、軍事、海事1905-06