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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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大富豪の殺人

大富豪の殺人_f0028703_1616181.jpg1906年6月25日(月)

6月25日の深夜、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンのテラスで恐ろしい惨劇が起きた。その場所はシアター・レストランで、当日は「シャンパン嬢」というレヴュが行なわれていた。大富豪のハリー・ソウ氏は、居合わせていたニューヨークで最も有名な建築家スタンフォード・ホワイト氏に向けて銃を3発発射し即死させた。被害者は、ハリー・ソウ夫人がイヴリン・ネスビットという名前で画家のモデルをしていた頃に愛人関係があったという。

出典:BNF-Gallica #102979 « Je sais tout » No.19; Août, 1906
画像Crédit d’image : ©thestudioarts.com

[ Ψ 蛇足 ]
これはあたりかまわず銃をぶっ放すという、いかにもアメリカ的な殺人事件である。「世紀の犯罪」(Crime of the century)とも言われた。
当時ニューヨークで最も有名な建築家であったスタンフォード・ホワイト(Stanford White, 1853-1906)は、マディソン・スクエア・ガーデンやワシントン・スクエアの凱旋門など、ニューヨークでも50以上の建築物を手がけており、確固たる名声を得ていた。一方で彼は漁色家で知られ、市内各所に女優や芸術家をめざす若い女性たちを住まわせていたという。一時期、画家のモデルであり、劇場のコーラスガールをしていたイヴリン・ネスビット(Evelyn Nesbit, 1884-1967)も彼のもとにしばらく留まっていた。
その後、ネスビットは大富豪ハリー・ソウ(Harry Thaw, 1871-1947)に見初められ、結婚するが、夫は妻と以前関係があったこの建築家に恨みを持つようになり、発作的に凶行に及んだものと考えられた。
いずれにしても2人の男たちの運命を誤らせるに至ったこの女性は一体何者だったのか?多くの画家たちが賞賛した「無垢な」表情が魔性の裏返しなのか?

*参考サイト:
(1)「死人に口あり」という意味なのか(?)この事件の発生以前から裁判の結果までの経過を詳述する読み物風サイト(英文): Dead men do tell tales
(2)「世紀の殺人」というサイト。様々な角度からの検証。特にNew York Times の記事など(英文): Murder of the century; Murder at Madison Square Gardens
(3)「らせん階段」(1999年4月号)という建築家向けの情報誌で、映画化された事件について(和文): 「射殺された建築家、スタンフォード・ホワイト」---映画『ラグタイム』(1983) :渡辺 武信(建築家、映画評論家、詩人)
by utsushihara | 2006-06-25 22:14 | ★ベルエポック事件簿1908