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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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サン・フランシスコで大地震

サン・フランシスコで大地震_f0028703_17412882.jpg1906年4月18日(水)

4月18日午前5時30分、アメリカ太平洋岸のサン・フランシスコで3度にわたる非常に大きな地震が発生し、建物の多くが崩壊した。サン・フランシスコはアメリカ西海岸カリフォルニアに位置する大都市で、人口は35万人を数える。
地震によりガスの配管があちこちで断裂した結果、多くの地点で爆発が起き、火の手が上がった。火は強烈な風にあおられて、たちまち地震の被害の軽微な地区にまで燃え広がった。水道管も損壊していたため、炎の勢いを抑えることは不可能であった。消防士たちは延焼を食い止めるためにダイナマイトを使用し、街路の建物を丸ごと吹き飛ばさなければならなかった。
あらゆる努力にもかかわらず、サン・フランシスコの都市は失われた。そのほとんどを建て直さなければならないだろう。30万人を超える市民が避難所もなく、食料もなく、廃墟の中をさまよっている状況である。湾の対岸に位置するオークランドに避難した人もいる。
被害総額はおおむね15億フランにのぼると考えられる。
サン・フランシスコの近隣の町、サンタ・ローザ、クリフ・ハウス、ターミナル・アイランドなどにも建物の崩壊などの被害が及んでいる。

出典:BNF-Gallica #102978 « Je sais tout » No.16; Mai, 1906

[ Ψ 蛇足 ]
巨大ハリケーンの被害もさることながら、大地震の恐ろしさというのはある日突然に起こることである。「災害は忘れた頃にやって来る」という教訓は、常時身構えていたとしても回避できるものではない。サン・フランシスコで大地震_f0028703_1742477.jpg
今日がサン・フランシスコ大地震の100周年の日に当たるということを、ここで僕自身が改めて気づかされたわけである。よくマスコミが大災害の周年日を取材したときに取り上げる「記憶を風化させたくない」という論調も、確かにそうではあるがと思いつつも「年月が経た記憶は風化する」という厳然とした事実がここでも存在する。それを食い止めるためにも、やはりこうして過去を過去として「掘り起こす」ことも大事なのかと思ってみる。
日本のサイトにはあまり言及している例が少ないが、検索で< San Francisco, earthquake, 1906 >では英米の多くの事例研究が出てくる。
参考Wikipedia(英文): San Francisco earthquake of 1906
by utsushihara | 2006-04-18 17:42 | 各国事情1905-06