フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


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ガス灯と夜のパリの保安問題

1909年10月

パリの街路のガス灯の点灯人組合(Le Syndicat des allumeurs du gaz)は市議会に対し、公共の街路に設置されているガス灯が朝まで一晩中灯されるように働きかけを続けている。現在は、真夜中になると街路の1/4以上のガス灯が消されている。しかし実際のところ、真夜中といえどもパリはまだ人通りの盛んな生活が続いている。人々は劇場から出てくるし、すべてのカフェはお客で混みあっている。この時間帯にお役所ではすでに明かりが少なくなった街路をさらに半暗闇にして、その中に人々を放り出すことを選んだのである。

組合が指摘するのはこの点であり、個人の利益を尊重すれば構造改革にぶち当たるというのもよくわかる。また一方では、真夜中にガス灯を消しに歩かなくともいいことになれば、すべての組合員が寛いだ宵を過ごせる利点となるだろう。

ガス会社では、点灯した街灯の減少に乗じた犯罪や強盗が増大する可能性を心配する広告を貼り出している。この時間にガス灯を消すということは今やかなり危険なことと言わねばならない。大都会の生活は昼夜を分けず続けられている。真夜中を過ぎれば、遊興者や追いはぎしかいなかった時代ではもはやない。むしろ真夜中から午前3時頃にようやく仕事が終わるという労働者も多い。馬車の御者、カフェやレストランの給仕、劇場の係員、印刷所の工員、新聞記者などなど。こうしてやむを得ず夜間に働く者たちは、邪悪な事件との遭遇から保護されるべき権利がある。
街路を明るく照らすことよりましな保安手段があるだろうか? レーピン総監が市議会で証言したときに、明るく照らされた街路が3人の警官に相当すると語ったのではなかったか?

f0028703_2123205.jpgパリ市全体にある約6万基のガス灯のうち、毎晩1万5千基だけ消し続けることで、年8万5千フランの経費の削減になるという。しかしながら3億7千フランの予算に対する0.02%にこだわり続けてパリ市民の安全を損なうよりも、経費を大幅に削減できる方法は他にいくらでもあるはずではなかろうか?

出典Crédit:©BNF-Gallica #618767 « Le Petit journal » No.17084, le 5 Oct. 1909
画像 Crédit photo : ©CMN: Donation André Kertész, Ministère de la culture (Médiathèque de l'architecture et du patrimoine), diffusion RMN
Titre série : La France 1926-1936 / Légende : Après la pluie ; [Homme allumant un bec de gaz] / Auteur de la photo : Kertész, André (photographe, 1894-1985) / Date prise vue 1927 / N° phototype : 72L000359
Publication : André Kertész et Pierre Mac Orlan, Paris vu par André Kertész, Edition d'histoire et d'art – Librairie Plon, Paris, 1934

[ Ψ 蛇足 ]
百年前のパリでは深夜にガス灯を部分的に消していたことを知る興味深い論説記事である。ガス灯(Bec de gaz)は20世紀の前半までは続けて使用されていた。ありふれていたはずだが、意外と参考となる写真画像が見つけにくかった。(↑上掲は©アンドレ・ケルテスの写真「雨の後」(ガス灯を点す男))

今でも東京をはじめとする大都会では一晩中煌々と照明が照らし続けられているのが当然のようになっているが、《本当は》こうした電力エネルギーが「不便だから」とか「危険だから」という理由で「ふんだんに」消費され続ける意味は改めて問い直す必要もあるような気がする。(さすがに災害時の大停電には人間の無力さを痛感するが…)
[PR]
by utsushihara | 2009-10-07 21:21 | フランス社会政経1909-10