フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


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老大家サン=サーンスの多忙な夏(1909)

1909年8月~9月f0028703_227099.jpg

(8月23日付「フィガロ」紙の記事から)
サン=サーンス氏の今年の夏の動静をお伝えする。
数日前の朝、サン=サーンス氏はエクス=レ=バンからの列車でパリのリヨン駅に到着した。軽快かつ忙しそうに、生き生きとした目を方々に配り、いつも若々しい身のこなしで旅行鞄を手に下げ、肩掛けカバンを斜めにかけていた。
その翌朝には朝早くからディエップ行きの列車に乗り込んだ。そこからロンドンに向かい、9月に予定されているブリューの戯曲『信仰』(La Foi)の稽古に立ち会うことになっている。この古代エジプトを舞台とする5幕劇は、サン=サーンス氏が付帯音楽を作曲したものである。
同じく9月の初めには今度は、エクサン・プロヴァンスに彼は現われるだろう。そこで合唱曲『リラとハープ』(La Lyre et La Harpe)の公演を見守らなければならないのだ。そのあとすぐに彼はパリに取って返し、オペラ・コミック座での歌劇『プリネ』(Phryné)の再演をめぐって支配人のアルベール・カレ氏と打合せが必要となっている。
それからやっと毎年秋と同じようにサン=サーンス氏は太陽がいっぱいの遠い国に向けて出発する。エジプトかカナリア諸島かは彼の気まぐれによってぎりぎりに決まることになるのである。
それまでの間、彼は《退役軍人会》(Maison du soldat)のためにトロカデロで催される慈善演奏会で演奏されるための愛国的なカンタータを1曲仕上げねばならないし、ヴァイオリン奏者イザイ(Ysaye)とチェロ奏者オルマン(Hollmann)に約束した「ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲」も書かなければならない。また、ゲテ座で公演を予定しているラモーの歌劇『カストールとポリュックス』の校訂も支配人のイゾラ兄弟からたっての願いと言われている。
この74歳の大作曲家は見ての通り、典型的とも言える目覚しい活動を続けている。

出典 Crédit:©BNF-Gallica #288559 « Le Figaro » No.235; le 23 Août, 1909
画像 Crédit photographique : © RMN (Musée d'Orsay) / Gérard Blot / Cote cliché : 00-010801 / Fonds : Photographies / Titre : Camille Saint-Saëns (1835-1921), compositeur français / Description : Album de 500 célébrités contemporaines - collection Félix Potin / Localisation : Paris, Musée d'Orsay
出典 Crédit:IMSLP - Camille Saint-Saëns: La Foi, Op.130 (Piano score)
http://imslp.org/wiki/La_Foi,_Op.130_(Saint-Sa%C3%ABns,_Camille)

f0028703_2283545.jpg

[ Ψ 蛇足1 ]
(↑)上掲はブリューの戯曲『信仰』(La Foi)への付帯音楽の一部である。IMSLP所収のピアノ・スコアを見てみると、劇の進行に合わせて音楽が奏されるように前後の台詞が細かく併記されている。楽曲の性格上、曲のまとまりとしては断片的なのは仕方がないが、美しい曲想が所々に出てくる。引用したのは第1幕第4場のヒロインの独白の場面で、独奏チェロが憂いに満ちた美しく艶やかな旋律を奏でる個所である。(これは別の小品でチェロとオルガンのための「祈り」(La Prière, Op.158)の神妙な響きに通じる。)

ウジェーヌ・ブリュー作の戯曲『信仰』(La Foi)はこの年の4月10日にモナコのモンテカルロ劇場で初演された。ちょうどブリューがアカデミー会員に選出された直後で、大家のサン=サーンスが曲を付ける仕事に応じるのはちょっと意外だという一般の反応があった。これはあくまでも想像だが、『サムソンとデリラ』や『ノアの洪水』などサン=サーンスが得意としていた聖書的古代世界と、彼の好んだエジプトやアルジェリアなどの異邦的な音楽の響きが、この戯曲のために作曲する場合にも当てはまったからではなかろうか。
この曲を小組曲風に編みなおした演奏が《誓い》という邦題でCDが出ていた。(ミシェル・プラッソン指揮、トゥールーズ・カピトル管弦楽団)

上の記事に言及されたヴァイオリン奏者イザイ(Ysaye)とチェロ奏者オルマン(Hollmann)に約束した「ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲」については、ヴァイオリンとチェロの独奏付管弦楽曲『ミューズと詩人』(La Muse et le Poète)ホ短調、作品132として翌1910年に完成する。

f0028703_2315526.jpg[ Ψ 蛇足2 ]
ウジェーヌ・ブリュー(Eugène Brieux, 1858-1932)の5幕劇『信仰』(La Foi)のロンドン公演は9月20日(月)王立劇場(His Majesty’s Theatre)でおこなわれ、作者自身も立会った。彼の旧作『赤いドレス』(La Robe rouge)はバカンス後のシーズン幕開けにテアトル・フランセ座で演目に取り上げられ、また新作の『シュゼット』(Suzette)はヴォードヴィル座に乗り、確かな成功を博した。
不思議なのは『信仰』のパリ初演は1912年5月22日、オデオン座までしばらく間があくことである。この戯曲については、日本では早くも1919年9月に小山内薫の自由劇場の一座が帝国劇場で9回公演したという記録が見つかった。

出典 Crédit:©BNF-Gallica #5526296 « Touche à tout » No.10; Oct. 1909

*参考サイト:サン=サーンスの墓 《フランス音楽の散歩道》11. 異邦人"シャルル・サノワ氏"

**これまでの関連記事france100.exblog:アカデミー新会員にレイモン・ポワンカレとウジェーヌ・ブリュー選出(1909.03.18)
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by utsushihara | 2009-09-12 22:05 | オペラ、音楽、演劇1909-10