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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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麦藁馬車への連続放火犯

1909年7月麦藁馬車への連続放火犯_f0028703_2224788.jpg

7月のあいだ、パリおよびその近郊の町では麦わらを積んだ荷車が延べ30台も燃やされるという事件が多発した。偏執的な何者かによる放火であると考えられたが、だれもその現場を押さえることができなかった。この火災ではいくつかの重大事故を誘発している。犯人を見つけた人に対して報奨金が約束された。

彼らは通りがかりに麦藁を積んだ馬車にこっそりと火をつけることを繰り返すのだが、異常な快楽のためなのだろうか?それとも何かの復讐のためであろうか?
こうした犯行への傾注はかつては稀であった。今では集団化しており、彼らの行動は伝染しているようにも見える。1台の荷馬車が火事になる。人々はそれほど注意を向けない。藁束の過熱や密閉をとがめる。翌日は2台の馬車から火が出る。それからパリの至る所でこの種の火事が起こったのに気づく。今回は疑いもなく邪悪な意志のみが責められるべきである。悪意のなかでも最低の悪意である。復讐や憎悪による要因は除外される。単なる偶然で引き起こされる悪意、破壊のみが唯一の楽しみとなった悪意である。

(7月7日付の「フィガロ」紙の記事から)
ここ数日間、パリのあちらこちらで道路を通る麦わらを積んだ馬車が突然燃え上がる事件が続いている。最初は単なる偶然か、喫煙者の不注意ではないかと考えた。しかしあまりにも頻発するのでこれは悪意にもとづく犯罪行為であると見なすようになった。例えば昨日も、サン=ジェルマン大通りで一人の金髪の青年がタバコに火をつけるふりをしてそばに止まっていた麦藁馬車に火をつけて逃走するのが目撃された。目撃者は犯人を追跡せず、馬車の持ち主に火事を通報し、一緒に消火作業を手伝った。

(7月22日付の「フィガロ」紙の記事から)
昨日午後5時半ごろ、シャペル街50番地の筋向いで麦わらを積んだ馬車に火がつけられた。ここ数日間、シャンピオネ門付近で馬秣業者の荷車が放火されている。消防が消した後、残った麦藁を道端に積んでおいたところ、昨日またそれに放火した悪者もいた。

出典Crédit:©BNF-Gallica #102985 « Je sais tout » No.56; Sep. 1909
出典Crédit:©BNF-Gallica #618694 « Le Petit Journal» No.17011, le 24 Juil. 1909
麦藁馬車への連続放火犯_f0028703_2231962.jpg画像 Crédit photographique : © RMN / Franck Raux / Cote cliché : 08-510127 / Fonds : Photographies / Titre : Le groupe folklorique de Lagny-sur-Marne, "La Brie", en costume traditionnel / Localisation : Paris, MuCEM, Musée des Civilisations de l'Europe et de la Méditerranée
出典 Crédit:©BNF-Gallica #288512 « Le Figaro » le 7 Juil. 1909
出典 Crédit:©BNF-Gallica #288527 « Le Figaro » le 22 Juil. 1909

[ Ψ 蛇足 ]
この一連の偏執狂的な放火事件は《Brûleur de paille》(藁燃やし人)として小記事ながら報道が繰り返された。(しかし犯人が逮捕されたかどうかは不明=たぶん迷宮入りだったかも。)
by utsushihara | 2009-07-30 22:00 | フランス社会政経1909-10