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フランス国立図書館(BNF)のデジタル書庫"Gallica"で見つけた百年前の月刊誌「ジュセトゥ」(Je sais tout=私はすべてを知る、という意味)や新聞「フィガロ」(Figaro)等から記事や画像を紹介。(現在1910年で進行中)


by utsushihara

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1909年春のサロン展(6)『牧神の午後』

1909年5月1909年春のサロン展(6)『牧神の午後』_f0028703_18331541.jpg

レヴィ=デュルメル氏は、ダヴィンチの描き難い立体感を得るために点描法を試みた。彼の『牧神の午後』は、流れの澱んだ蒸気を作りあげ、その中で牧神は小さな岩膚のように見える。これがドビュッシー音楽的特性なのだろう!(Ce serait un Debussyisme musical !) 独立派の画家たちはここ何年来この反故同然の手法をひけらかしている。

出典Crédit ©BNF-Gallica #5526272 « La Revue hebdomadaire et son supplément illustré » No.19; 8 Mai, 1909
出典Crédit:©BNF-Gallica #102984 « Je sais tout » No.53; Juin, 1909
画像 Crédit photographique : ©"Après-midi d'un faune" de Lucien Lévy-Dhurmer (Collection M. de Grandsaigne, Paris)

[ Ψ 蛇足 ]
「ジュセトゥ」誌のサロン展の紹介記事では、この絵のことは「その他に…」として作者名リュシアン・レヴィ=デュルメル(Lucien Lévy-Dhurmer, 1865-1953)と画題『牧神の午後』"Après-midi d'un faune" (1909)だけが列記されていただけである。この画家も象徴主義風の、青い霧の流れる背景に夢幻的な人体画像が特徴的である。画題が画題だけに、気になって調べてみると、さすがにマラルメの原詩やドビュッシーの楽曲の関連サイトでこの絵の画像を引き出すことができた。
上記の寸評は、「週間雑誌」(La Revue hebdomadaire)のサロン評(ジョゼファン・ペラダン筆)の中で言及したものだが、当時のサロン展で評価されていたのは、相変わらず伝統的なアカデミー派の作品が大部分で、印象派や象徴主義派(まして野獣派)の画家たちは「独立派」(Les indépendants)と十把一絡げで、まだまだ冷ややかな目で扱われていたことがわかる。

*参考サイト:
(1)Debussy - Prélude à l'Après-midi d'un faune(仏語)Site réalisé par Nicolas Vernier, professeur de musique au lycée Charles le Chauve, Roissy en Brie (77)
(2)Le poème de Mallarmé: Le Faune(仏語:PDF)
(3)Wikipedia(英文)Lucien Lévy-Dhurmer

(2)のサイトに「牧神」の詩がもたらした、芸術的反響の大きさについて語ったマラルメの言葉が載っている。
« Je ne m'attendais pas a cela. La musique évoque l'émotion de mon poème et dépeint le fond du tableau dans les teintes plus vives qu'aucune couleur n'aurait pu rendre. » Mallarmé.
「私はそう思ってもみなかった。音楽が私の詩の情感を想起させ、そしていかなる色彩も及ばない生き生きとした色調で絵画の奥底を描き出すとは。」マラルメ(写原・試訳)
by utsushihara | 2009-05-19 18:32 | 美術、彫刻1909-10